孫科

孫科（1891～1973）、孫文の子。清光緒は11年9月18日（1891年10月20日）に翠亨村で生まれました。清光緒21年9月（1895年10月）、孫文が企画した広州蜂起が失敗した後、母と一緒にホノルルの孫眉のところに避難しました。その後、孫科は孫眉が同郷の黄瑞祥を招いて開いた塾に入学し、四書五経などの国学を勉強していました。清光緒27年（1901）に聖・アンソニー学校に入学し、清光緒32年（1906）にホノルル聖・ルイ学院に入学しました。そして、清宣統2年（1910）に同盟会に参加しました。翌年聖・ルイ学院を卒業しました。1912年2月の初めごろ、父からの電報の指示に従って帰国し、上海へ行って母と妹を連れて南京に行き、父と団欒しました。1912年7月に米国へ留学し、8月にカリフォルニア大学に入学しました。1916年5月に卒業、文学士の学位を獲得しました。1916年9月にコロンビア大学の研究院に入り、政治、経済、財務管理を専攻し、新聞学を選択科目として勉強し、一年後に理系の修士号を取得しました。米国に留学している間は「少年中国晨報」や「民気報」の編集を担当していました。1917年に帰国し、広州で海陸軍の将軍府の秘書を務めました。その後、資金募集のために陳民鐘、黄展雲とともにフィリピンに派遣されました。1918年4月に外交部秘書を務めました。1919年に参議院議長の林森の秘書を務め、黄憲昭と英語版の「広州時報」を創立しました。1921年2月、広州市市長を務め、広東省治河処の監督を兼任しました。期間中、土地廟を解体し、公開競売を行い、所得資金は町の建設経費へと補助し、市民大学を設立し、古い城壁を解体し、道路を建設し、六脈渠を疎通し、全市の衛生状況を改善しました。1923年2月、再び広州市市長に就任し、町作りを引き続き推進し、陳炯明を討伐するために軍費を募集し、全力で黄埔軍校の建設を支援し、国民党の再編事業にも参加しました。1923年秋、広州市市長を辞して、瀋陽に行って張作霖に連絡し、曹鍍、呉佩伏を討伐するよう命じられました。同年12月、天津において病気で上京した孫文を迎えた後、一緒に北京に赴き、孫文が亡くなる前、彼はずっと孫文の面倒を見ました。そして、孫文の遺言状証明者の一人となりました。1925年7月に、三度目の広州市市長を務め、国民政府委員、広東省政府建設庁庁長、中国国民党広州市党部組織部部長及び治河監督を兼任しました。1926年1月、中国国民党の第二回代表大会中央執行委員に選ばれ、11月に国民政府交通部長を担当しました。1927年3月に中央執行委員会常務委員、青年部部長、中央政治委員会主席団委員、軍事委員会委員、国民政府常務委員などの職に当選し、広東省の職務をすべて辞しました。同年9月、国民政府委員、財政部長及び軍事委員会委員を務め、1928年に国民政府常務委員、建設部部長、軍事委員会常務委員を務め、同年10月に試験院副院長、鉄道部部長を務めました。1929年、孫文の奉安大典を準備し参加しました。1931年1月、行政院の院長を務め、同年、故郷で総理故郷記念学校（今中山記念中学校）を設立し、11月に定礎式を執り行いました。1933年1月、立法院の院長を務めました。1936年、中ソ文化協会の会長を務めました。1938～1939年に三回ソ連を訪れ、抗日の軍事援助について相談しました。1947年4月、国民政府副主席兼立法院院長に選ばれ、同年5月に憲法実施後の第1回立法院院長にも当選しました。1947年8月、故郷の翠亨村に帰り、故郷の人を宴席に招待し、母の盧慕貞氏の誕生日をお祝いしました。1948年12月、行政院の院長を務めました。1949年3月に行政院長を辞し、同年5月に香港に行き、1950年秋に妻の陳淑英氏とともにパリに赴きました。1953年に米国に移住し、1965年10月に台湾に移住しました。1966年9月、台湾で「試験院の院長」を務めました。1973年9月13日心臓病で台北で亡くなり、台北の陽明山の二重渓で葬られました。孫科は1912年7月22日に陳淑英氏とホノルルで結婚し、息子の治平、治強、娘の穂英、穂華を育てました。『都市計画論』、『広告心理学概論』、『地方自治開始実行法』、『中国の前途』、『孫哲生言論選』、『孫科文集』、『八十述略』、『広州市政記憶説』を書き、またローウェルの『公益と民治』などを翻訳しました。